ヘッジファンドの最低投資額が下がってきたワケとは?

2019年08月12日

 ヘッジファンドは富裕層向けの投資である――これはある程度投資に明るい方であればある種の常識として知れ渡っています。

 確かにほんの数年ほど前までは、最低投資金額を5000万~1億円に設定していたヘッジファンドが大半を占めていましたが、現在はその10分の1となる1000万円と規定しているところも増えてきました。

 もちろん1000万円も大金であることに変わりはありませんが、決して手の届かない金額ではなくなってきているということです。今回は、そんなヘッジファンドの最低投資額についてお話していきたいと思います。

 

最低投資額を1000万円は高いか安いか

 一概にヘッジファンドの最低投資額と言っても、運営する各社に応じてその金額は異なります。

 ですが、ここ数年、特にリーマンショック以降では最低投資額を1000万円に設定しているヘッジファンドが増えてきたことによって、多くの媒体でヘッジファンドの最低投資額は1000万円というように報道されているわけです。

 この報道は間違いではなく、業界的にも1000万円という数字が標準的な最低投資額となりつつあります。さて、この「1000万円」という金額を見て、あなたは高いと感じましたか? 安いと感じましたか?

 正直なところ、1000万円は決してはした金ではありません。しかし、まったく手の届かない雲をつかむような話というわけでもないはずです。

 現役中には手の出せなかった方でも、相続や退職金などでまとまったお金が入り、ヘッジファンドで老後資金を貯めて快適な生活を送るといったビジョンも容易に想像できる範囲だと思います。

 「ヘッジファンドは自分には縁がないもの」と固定観念に縛られていてはいけません。一昔前のように、ヘッジファンドは富裕層にのみ与えられた特権というわけではなくなってきたのです。

 

最低投資額が下がってきた理由

 さて、先ほど「リーマンショック以降では最低投資額を1000万円に設定しているヘッジファンドが増えてきた」というように述べました。リーマンショック以前は、最低投資金額を5000万~1億円に設定していたヘッジファンドが大多数であり、その頃と比べると現在の1000万円という金額は10分の1まで縮小しています。

 では、どうしてここまでヘッジファンドの最低投資金額が下がったのでしょうか?その理由は、転機となったリーマンショックによる影響と新興の運用会社の出現が大きくかかわってきます。

 

富裕層がファンドに不信感を抱くようになってきた

 2008年9月、大手投資会社であるリーマン・ブラザーズが経営破たんを起こしたことにより発生した世界的な経済危機のことを、俗に「リーマンショック」と呼びます。これは、当該となったアメリカ市場のみならず、世界中の市場を阿鼻叫喚の渦へと突き落とす大変な事態となりました。

 市場が混乱に陥ったことで各国の株価が大暴落。その影響は、当然ヘッジファンド業界にも深刻なダメージを与え、事態に対処しきれず莫大な利益損失を出したファンドが界隈に溢れることとなったのです。

 以上の経験から学んだ一部の富裕層は、ヘッジファンドに不信感を抱くこととなります。

 こうして富裕層や機関投資家の“ヘッジファンド離れ”が次第に顕著になっていき、富裕層を囲い込むことが難しくなったヘッジファンドは最低投資金額を下げて規模を縮小しなければ顧客の獲得すらままならないという状況に追い込まれてしまったのです。

 

新興私募型ファンドの出現

 大手ヘッジファンドの規模縮小にかこつけて、2010年以降に頭角を現しだしたのが、新興私募型ファンドです。

 このファンドは新しい私募型のファンドとして立ち上げられ、既存のヘッジファンドが今まで相手にしていなかった準富裕層をメインターゲットに据え大きな事業拡大に成功していきました。

 準富裕層に焦点を当てているということは、当然今までの設定金額よりも安くヘッジファンド投資が行えるようになりました。最低投資金額は2千万円前後に設定されることが多かったようです。

 こうした新興私募型ファンドには運用力に定評がある会社も多かったため、これまで大手の高額なファンドを利用していた投資家のなかからも切り替えを行う人が現れます。

 そうした大きな波に飲み込まれるように、既存のヘッジファンド各社も最低投資額を軒並み下げなければならない状況下に追い込まれることとなりました。

 しかも、その後もヘッジファンドの低価格化はとどまるところを知らず、ついには最低投資額を1,000万円以下に設定する会社も登場。こういった背景から、現在では「1000万円」がヘッジファンド業界の最低投資額の1つの目安になったのです。

 

ヘッジファンド市場は今後縮小の一途をたどるか

 しかし、新た新興ファンドの登場によって有象無象の実力のないファンドも現れました。また、近年の度重なる金融危機によってますますヘッジファンドの価値が減少しつつあります。

 「今後、ヘッジファンドは縮小していく」というショッキングな示唆を行う専門家まで登場し、ヘッジファンドは今後の存続さえ危ういのではないかと危惧されています。

 とはいえ、こうした危機的状況であるからこそファンド・マネージャーには経験と知識が蓄えられてきているとも考えることができます。事実、今でもヘッジファンドの平均リターンは10%を超えるなど、まだまだ投資として非常に有用であることが実績を持って証明されています。

 大切なのは、そうした経験豊富なファンド・マネージャーが多く在籍する信頼できるヘッジファンドを選び取ることではないでしょうか。そこで、頼りになるのがヘッジファンドダイレクトのような投資助言会社の存在です。

 特にファンドダイレクトでは、リーマンショックでも59%超の実績を誇るファンドや、2016年にリターンが15%を超えた実力派のファンドなど信頼に値する多くのヘッジファンドと契約を結んでおり、安心・安全にヘッジファンドを行える土台作りに多大なる貢献をしています。

 「今すぐヘッジファンドをやってみたい」、もしくは「今後ヘッジファンドを検討している」という方は、是非ともこうした助言会社から有能なヘッジファンドを選び取ってみてはいかがでしょうか。

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